林業の構造 2
国有林経営が生産経済の1つであり、しかも国民のものである以上、黒字経営を指向すべきことはもちろんです。
しかし、赤字が構造的なものである以上に、国有林が今まさに合理的な森林の造出過程にあることを考えれば・・・
"赤字"対策という短期的視野からのみの発想は、長期的には、本来的視野を欠くことになり、きわめて危険な考え方であるといわなくてはならないでしょう。
現在進行し、そして臨調路線によって拡大し加速化されようとしている事業の縮小と経営の減量化は、この点で真の意味における国有林の再建を約束するものであるかどうかきわめて疑わしいというべきでしょう。
・・・では、現在の「合理化」路線は、何をもたらすでしょうか。
それは、国有林の存在意義と関連づけて検討するのが手っ取り早いはずです。
まず最初は、森林の公益的機能との関係。
「改善計画」以降「臨時調査会答申」にいたるすべての「合理化」方策は、公益的機能の発揮を唱えながら"赤字"対策を先行させることによって、公益性と経済性を機械的に区分してしまいました。
結果的には、かえって公益的機能の発揮を危うくしかねない危険性を持っているのです。
公益機能を完全に発揮させるためには、伐採と造林とを技術的に統一したきめ細かな森林施業が要求されますが、現在の「合理化」には、両者が分断されかねない契機があると考えるからです。