林業の構造

70年代後半から80年代初頭にかけての国有林問題は、泥沼的な財政赤字に代表される経営危機です。


この危機をめぐって展開しているものこそ、「改善法」下の「改善計画」であり、それを強力に推進しようとする臨時調査会路線であって、具体的には経営の縮小、減量を手段とする「合理化」です。


したがって、現在の国有林を見る視覚は、こうした合理化が、国有林をして国民から付託されている本来的使命に応えうる形に再生しうるか否か・・・。


というものでなくてはなりません。


このような観点から、現在展開中の合理化について、その問題点を要約的にみていくことにしましょう。


まず最初に、国有林の経営危機についてみると、それは構造的危機である点を確認してかからなくてはならないでしょう。


つまり、日本経済の不況の長期化と深化による木材需要の縮減が60年代に構築された「外材支配体制」によって増幅されているということ。


さらに、森林に対する公益的機能の重視という時代的要請が加重し、さらに60年代の大増伐、大乱伐のツケが相乗されて表出したものなのです。


国有林経営の財政赤字は、この構造的危機の具体的現象です。


林業経営にとっての森林は、その公益的機能を重視しようとすればするほど、そしてまた、育成段階に達した人工林が中心になればなるほど、絶対的重要性を持つことはいうまでもないでしょう。


この場合、最も合理的な森林は、自然力を最高度にコントロールして造出された森林であって、これは最高の生産力のキャパシティーを内包するとともに、公益的機能に十分な配慮がなされた森林です。


こうした森林は、長期にわたる注意深い取り扱いがあって始めて造成しうるものであるとともに、その造出過程では一時的に、資本と労働の一方的注入の時期が必然化します。


このような時期の短期局面では、"赤字"は当然のこととして覚悟しなくてはならないものです。

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